聖諦の月あかり
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知的思考の彼岸にうごめく「情緒」を探る。
音楽、映画、文学、美味しいもの、など。
四六版。640頁。定価2420円(2200円+税)。
【内容】
序奏
月あかりの音の響き
音のしらべのひさしき明かり
コルトレーンの至高の音:「至高の愛」と「マイ・フェバリット・シングス」
⦿my favorite thingsノート
メシアンの翔ぶ音:シュールな愛の交響曲の響き
⦿メシアンのピアノ曲とオルガン曲、そして交響曲
⦿メシアンの技法的な音楽哲学:「ハーモニーは色、音楽は色化された時間」
⦿メシアンの鳥たち
⦿メシアンの日本
さらなるソロとオーケストラとの次元へ
愛の音
情熱的なジャズロックのフルート:闘いのなかでのジェレミー・スタイグ
サンタナ:ラテンロックの祈り:異界がふるさと
ビセンテ・アミーゴの〈音の詩〉
UAKTIとピンク・フロイド、そして武満徹:人為的音の自然と音のシニフィアン
音の情緒と自然の響きの享楽:無意識の彼岸にあるもの
メルセデス・ソーサとビオレタ・パラ:こころに響く「生への感謝」の歌声
【歌う音/声の音 】
ストラビンスキー(1882-1971):春の相反する音のliberation
モーツァルト:プラハを奏でる音
前進し続ける情熱:ショスタコーヴィチを二〇一九年3.11をはさんで聴いた日記から
⦿交響曲第5番のいろんな指揮者たち ⦿ショスタコーヴィチの全交響曲
チャイコフスキーとゲルギエフ、そしてテミルカーノフとムラヴィンスキー
日本の音は四拍子で五音階:述語シニフィアンの音
ドゥダメルの踊るラテン・クラシック
目をこえていく絵の静寂
音なしの絵をこころにうつす
ジベルニーのモネ庭園のあまりの美しさ
カンディンスキー展に目眩む
ルオーのベロニカに恋する:そしてキルストの瞳
美術展/美術館とメキシコの壁画のこと
日本画の〈もの〉:非分離の述語的表出のわざ
月岡芳年の日本
日本の漫画は偉大:「学」を超絶する情緒表出
忘我のひとときの映像のあかり
忘我の朧夜の愉しみ
デ・パルマのヒッチコック・タッチ
コスタ・ガブラスの政治的サスペンス映像
サム・ペキンパーのスローモーション・バイオレンス
スティーブ・マックイーンのかっこよさ:クールな美学
サスペンスはあきないが・・・
ファム・ファタールとギルダ=リタ・ハサウェイ
自分をもつ美しきヒロインのエロスと知性
あらためてサスペンスのファム・ファタールのエロティシズムと殺人
―モニカ・ベルッチを範型にして
●ファムケ・ヤンセンとモニカ・ベルッチ
荒野の七人と西部劇:痛快とは個性の発揮
高倉健・藤純子の任侠映画に涙するわけ
007は真の娯楽映画
⦿ル・カレのスパイ映画
テレビドラマの果てしなきおもしろさへの転移 24からキリング・イヴ
「ニュー・シネマ・パラダイス」と「ミツバチのささやき」:記憶のぬくもり
●トルナトーレと少年。そしてモリコーネ音楽。
⦿エリセの少女と家族
舞踏と映画 Fosseに魅了されて
シネマ雑感
情緒の場所
【ぼくが選んだ映画200】
【ぼくが好きな監督・俳優】
文学の暗いみちしるべ
文学にあまりにあそべなかった
芥川龍之介の自死への想像願望
ドストエフスキー「悪霊」の誘惑に対する拒絶:スタヴローギンの首吊り
原民喜の原爆小景:夏の花の幻
メキシコでの大江健三郎さんと山口昌男さん
ガルシア=マルケス『百年の孤独』の場所
辻邦生文学と津島佑子文学の透明さ
藤井貞和さんと文法的詩学
ランボーと清水昶の詩魂、そして「白鯨」同人
ぼくには書けない心あたたかい詩と日常の残酷さ:清岡卓行と黒田三郎と吉野弘
◈古事記は、日本心性の原基
◈文学の情緒資本の場所
【コラム】情緒資本と知的資本
スポーツと神々と、日々のくらし。そして海外にくらし、世界を旅する。
プロフェッショナルな身体精密の偉大さとわざ
スポーツマン金太郎と三原監督、そして大洋ホエールズ・ファンに
横浜ベイスターズの優勝に、滝のごときうれし涙
日本サッカーのプロ化:木之本興三の意志とワーク
F1を優勝させ世界と対決した男、桜井淑敏さん
ラグビー・ワールドカップの多国籍軍に感動
◈〈プロ〉であることの意味
◈プロの身体行動は〈非分離〉の創出である
日本の場所の神々なるものに:国つ神の場所
大神神社で猿田彦にあう:アマテラスを追い出した国つ神=大物主の力
高千穂の夜神楽:村人たちが守り続ける国つ神と神楽
神田明神はぼくの守り神
日常で、のんびりと生きている情感
莨で死んでもかまわない
医者にはいかない理由
骨折経験はおもしろかった
温泉効果を感じる日々
白地を描く墨書
枝垂れ桜の華麗なるあはれと、離れ離れの山桜
着物のこころを染め編む非分離の技術:誉田屋源兵衛さんと笹島寿美先生からまなぶ
わが愛しきピレネー犬
場所のおいしいものに暮らす
豆腐と納豆、そして場所の味
おいしい大人のラーメンはここ
寿司の真髄はどこにあるのか:扇寿司と葵寿司
横浜「だるま」の串焼き:おやじさんとよっちゃん
南足柄の梨と根府川の蜜柑:場所の果物の至高のおいしさ
山・川に遊ぶ少年期:高崎少林山と餓鬼のころの梨・桃泥棒
本のこと、書庫、そして出版
海外でくらしまた世界を旅すると気分は爽快かつ危険
メキシコのバナキュラーな世界
ジュネーブで暮らす:パブリックな成熟の街
パリでの気楽な過ごし方
プラハの崇高さと本来の都市、そしてルクソー遺跡
学問と思想のあかり、そして研究生産 大学は終わっている。
学問の場所、思想の場所における情緒:理論生産への挑戦と研究生産の開拓へ
●マルクスへの情緒関与と実践規準
●西欧世界からでなく第三世界/ラテンアメリカから〈世界〉を観る
●帰国後、文化生産へ
〈批判〉考察は「否定」ではない、可能条件を探しあてること
◇吉本隆明の思想資本は世界一:すべてはここから初まる
◇イバン・イリイチと歩いたクエルナバカの丘
◆フーコーとブルデューとラカンをなぜ読むか: 実践(プラクシス)ではない実際行為(プラチック)
◇ほんものの学者は、気さくな偉大さ: 白川静さんと坪井洋文さん
◇知的な偉大な企業リーダー: 福原義春さんと小林陽太郎さん、そして飛島章さん
大学は役目を終えている:大卒知性でもはや未来は開けない、新たな高等研究・高等教育の開設を
・大学知性と大卒知性の特徴 ・労働の疎外が、自分利益なる大卒知性の効果
東大世界四〇位、京大六〇位、そんな日本アカデミズム低次元でぼくは思考していない
【hospitalityと場所と資本】
思想家にならない、「研究」生産を学術マネジメントすること
・代表的な日本文化論の言説世界構図
・世界水準での基礎理論の主要なもの
・ぼくの知的生産ワークのプロセス
聖諦の月明かりで真笛の奏へ・・・
自己技術のオートノミー:あとがきにかえて
著者プロフ
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