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山本哲士「述語制の日本語論と日本思想」

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主語なき日本語の「述語制」様式から、哲学・思想、学問体系の根元を問い返す。
言語論を転移し、新たな哲学設計を開く書。その第一巻。
言語は、日本文化として経済、政治、技術、知識の全ての基盤にある。
主語言語の間違った学校文法によって、全てが転倒してしまう現在日本を問い返す。
616頁

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【内容】
序 言語の哲学と日本語:文化資本としての言語理論へ

第1部 述語制言語様式への開削

【I 批判査証】
一篇 問題の場所:<主語>制批判
  1章 日本語・日本哲学における<主語>という誤認の概念空間
  
  2章 主語制言語と述語制言語との対比:文法次元への批判的アプローチ
   第一節 述語制言語の指標
   第二節 文法次元と語法論からみた主語制と述語制
   第三節 思考形式と言語形式の関係:主語制認識と述語制認識の差異

  3章 一般文法の考古学的表象と一般言語学の闘
   1. 一般文法としての表象と文法学的実定化の限界:認識における理論布置
   2. 現代相における一般言語学の理論構成と言説閾
   3. 文法論の限界と普遍閾へ到る松下・佐久間・三上の三大日本語論の布置

 「一篇:プロブレマティーク」の結的指針からの開始へ:文法による客観化を客観化する

【II 歴史性化】
二篇 理論的設定への史的批判軸と本質相
  4章 日本語における近代文法化の変遷への批判閾
   0.品詞分類と分節化との違い:「品詞」を疑うこと
   1.文法地盤の転移のために:範疇・概念なき諸用語(単語・文・陳述)の徘徊
   2.文法の言説國空間
   3.近代文法の形式化への批判視座
  
  5章 日本語史と国家語の言語政治:述語制をなくした言語交換エコノミーと「国語」
   Ⅰ 日本語が国家語化される前提条件としての言語編制地盤
   Ⅱ 近代国家語の編制
   Ⅲ 言語政治の位相と言語交換エコノミー
  
  6章 吉本<言語表出>史論からの本質的な述語表出の諸相
   1. 吉本の時枝批判
   2. 表出論と三木成夫とマルクス
   3. 大洋論・語母論からの言語本質と日本語の位置
   4. 初期歌謡論から見えてくる述語制言語の相:言語の本質的な歴史論 
   5. 吉本の七五調論と近代詩の表出転移
   6. 言語の原了解へ

 結論Ⅰ 第二篇のまとめ
  述語制様式への理論転移:知的資本/情緒資本と国家資本
 【第I部から第II部への継承章】
7章 近世日本文法の述語的表象と転移地盤
  第一節 活表象の述語制:本居春庭の言説層
  第二節タブロー(五十音表)から分節化へ、そして再びタブロー(活用段)へ
   Ⅰ 表象体系の編制へ
   Ⅱ 表象の分節化と体系的な言説編制
   Ⅲ 述語的表象地盤の客観的綜合化と転移の相
  第三節 表象体系の再編制:「助辞」から助動辞(助動詞)の分離出現と品詞分類

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