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山﨑正純「文学的身体と歴史」

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山﨑正純 大阪府立大学教授

太宰治、志賀直哉、小林秀雄、吉本隆明、西田幾多郎、田辺元が描こうとしてた世界を、歴史的世界における身体性として描き出し、「文学」を生命論的考察の対象として位置づけ、近代主義的文学館を超える、鋭利な文学論。やや経年劣化ありますが、中身は新品です。

278頁。定価3300円(3000円+税)。

【内容】
▼はじめに 文学の身体と言語
  Ⅰ九四〇年前後
  Ⅱ西田哲学における歴史的身体
  Ⅲ 下村寅太郎と坂口安吾
  Ⅳ 中島敦に寄せて
▼第一部 文学的身体と歴史
 ●第一章 太宰治・敗戦・田辺元
   Ⅰ はじめに
   Ⅱ 主体の憂鬱
   Ⅲ 許されない問いを問うこと
   Ⅳ 田辺・『展望』・太宰
   Ⅴ 所有と権力の脱構築
 ●第二章 歴史のポイエーシス
   Ⅰ 語り得ぬもの
   Ⅱ 知識人論
   Ⅲ 転向論
   Ⅳ 語ることと沈黙すること
 ●第三章 吉本隆明の対偶的思考
   Ⅰ はじめに
   Ⅱ 沈黙の意味
   Ⅲ 理論の落丁
   Ⅳ 擬制の終焉
   Ⅴ 幻想の中心
▼第二部 生成する文学的身体
 ●第一章 文脈形成行為と公私の再編成
   Ⅰはじめに
   Ⅱ 透谷と晶子の文脈
   Ⅲ 公私再編とジェンダーの文脈
   Ⅳ「夕鶴」の私秘性  
 ●第二章 痕跡の所有
   Ⅰ 他者の痕跡
   Ⅱ 意味の所有
   Ⅲ 理論負荷性とアスペクト転換
   Ⅳ 言語史と文学史
 ●第三章 疎開者小説の可能性
   Ⅰ 疎開者小説の問いかけるもの
   Ⅱ〈正しさ〉とは何か
   Ⅲ 倫理と経済
▼第三部 文学的身体の自画像――志賀直哉と小林秀雄
 ●第一章 身体性と暴力
   Ⅰ「剃刀」
   Ⅱ「クローディアスの日記」
   Ⅲ「范の犯罪」
   Ⅳ「児を盗む話」
 ●第二章 沈黙する志賀直哉
   Ⅰ文学の身体性
   Ⅱ「孤児」
   Ⅲ「小品五つ」
   Ⅳ「佐々木の場合」
 ●第三章 流れを遡る
   Ⅰ はじめに
   Ⅱ 視界の限界
   Ⅲ 不可視の流れ
   Ⅳ 死と係りつつ生きる
 ●第四章 「眠られぬ夜」の夢と現実
   Ⅰ はじめに
   Ⅱ 夢と現実
   Ⅲ 決定論的自然観
   Ⅳ 思想家の私小説
 ●第五章 「おふえりや遺文」論
   Ⅰ〈語る主体〉
   Ⅱ〈語り〉の構造
   Ⅲ 作品の大枠と原作との整合性

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